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オペナース“     取り”オペナースオペナース“    取り”152  OPE NURSING 2018 秋季増刊開頭脳腫瘍摘出手術2苗村和明NTT東日本関東病院脳神経外科 医長苗村和明図1 左蝶形骨縁髄膜腫(前頭側頭開頭) 脳腫瘍は種類が多く発生部位もさまざまであり、ここですべてを網羅することは不可能である。そこで、遭遇する機会が比較的多くかつ術野理解が難しいと思われる代表的な解剖図3点について解説する。左蝶形骨縁髄膜腫(前頭側頭開頭)(図1) 前頭側頭開頭は、脳神経外科手術で最も頻繁に行われるアプローチ法である1)。前頭骨・側頭骨・頭頂骨・蝶形骨から成るテリオンを中心に開頭し、顕微鏡下に前頭葉と側頭葉の間(シルビウス裂)を分ける。 深部には前方より順に視神経、動眼神経が存在し、その間を内頸動脈が走行する。内頸動脈は後交通動脈、前脈絡叢動脈を分岐した後、視神経に向かう前大脳動脈とシルビウス裂に向かう中大脳動脈とに分岐する。腫瘍摘出の際はこれらを損傷しないように注意を要する。嗅窩部髄膜腫(前頭開頭)(図2) 前頭部正中に開頭を置き、顕微鏡下に両側前頭葉の間(半球縦裂)を分けていく。浅部で両側嗅神経が、深部で両側視神経および視交叉が頬骨弓①開頭範囲②シルビウス裂からの アプローチ③操作部の動脈と神経の走行蝶形骨前頭骨開頭範囲テリオン頭頂骨側頭線側頭骨外耳孔硬膜(翻転)硬膜(翻転)腫瘍腫瘍脳ベラ左前頭葉シルビウス裂およびシルビウス静脈左側頭葉左動眼神経左後交通動脈左内頸動脈腫瘍硬膜付着部左視神経右視神経右前大脳動脈左前大脳動脈前交通動脈左前脈絡叢動脈シルビウス静脈左中大脳動脈

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