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190 OPE NURSING 2018 秋季増刊子宮・卵巣・卵管の解剖(正面像)(図1) 女性生殖器である子宮、卵巣、卵管は骨盤腔の最深部に位置する臓器で、正常大の子宮は7〜8cm、卵巣は3cm程度の大きさである。これらの臓器の手術を行うには、まず周囲の腸管をタオルに包んで頭側に圧排し、さらに手術体位を骨盤高位として、良好な術野を確保する必要がある。 子宮の内腔は細長い三角形をしている。子宮底部に近い2つの角には卵管口があり、ここから細長い卵管を通って腹腔内に通じている。もう1つの角は内子宮口・子宮頸部を通って腟につながる。腟から子宮内腔と卵管を通って腹腔内まで通じるこの経路は、妊娠という現象が起こる場であると同時に、骨盤腹膜炎や子宮内膜症といった疾患が発生する背景ともなっている。 卵巣は親指頭大の実質臓器で、子宮と骨盤との間に2本の靱帯でぶら下がっている。このため可動性がよく、卵巣囊腫が茎捻転を起こした場合には腫大した卵巣ごと2〜3回転していることがある。 卵管は左右卵巣のすぐ横に位置する管状の臓器で、卵管間膜という薄い膜で卵巣とつながっている。卵管の開口部にあたるふわふわした組織は卵管采と呼ばれ、排卵された卵子がここから卵管に入る。図1 子宮・卵巣・卵管の解剖(正面像)骨盤漏斗靱帯卵管間膜卵巣固有靱帯子宮底部卵管口卵管峡部卵管膨大部卵管采卵巣子宮体部広間膜子宮動脈尿管内子宮口仙骨子宮靱帯子宮頸部子宮腟部子宮頸管子宮峡部子宮傍組織子宮筋層子宮内膜黄体卵胞坂本公彦NTT東日本関東病院産婦人科 医長角田肇同 部長坂本公彦角田女性の生殖器(子宮・卵巣・卵管)1
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