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監修のことば 2014年春に出版された「手術室の薬剤122」のパワーアップ版として、本書を出版することとなった。「はじめに」として総論を厚くし、医療安全の視点から薬剤の誤認・誤投与防止を新たに盛り込んだ。また薬剤解説は、現在の手術室で使用されている薬剤のラインナップに更新し、オールカラー版でお届けしている。章ごとに「ズバリ!この薬の3POINT」を、薬剤ごとには「マスト3カ条」を入れて、容易にポイントを把握できるようにした。 今回も、前書で大切にしていた、麻酔科医が「何を考えて使っているのか、使い分けているのか」を理解してもらうことを踏襲した。これまでもオペナーシング本誌では、気管挿管や硬膜外穿刺、術中モニタリングなどの麻酔管理に関して、麻酔科医がオペナースに、「何を見てほしいのか」「何を理解してほしいのか」にフォーカスして、多く解説してきた。薬剤においても同じである。刻々と変化する手術の状況や患者の状態、術中の急変に迅速に対応するために、日頃より麻酔科医の考えを理解している必要がある。 医療の質と安全性を高めるうえで、チーム医療の果たす役割が大きいことは周知のところである。麻酔領域でも、安全な麻酔管理を行うには、チームでの管理が必要である。しかし、どのように実行するかについては、まだ道半ばである。日本麻酔科学会では、安全で質の高い麻酔医療を国民に提供する目的で、2014年に周術期管理チーム認定制度を設け、周術期管理チームメンバーとして看護師、薬剤師、臨床工学技士を対象とした認定資格の取得を進めている。現場で活躍する周術期管理チーム看護師も少しずつ増えてきているのではないだろうか。周術期管理を行うには、麻酔器やモニターに関する知識とともに、薬剤に対する知識も当然必要である。麻酔科医が何を考えているか、何に注意を払って、どんなところに重み付けを行って薬剤を使い分けているのかを理解することが、チーム医療を行ううえで、よりいっそう重要となる。 本書は、周術期管理チームが円滑かつ有効に遂行されるうえで必要な薬剤の知識を、チームの一員である麻酔科医の視点で書かれた本である。よりよい周術期管理のためにお役立ていただければ幸いである。慶應義塾大学名誉教授・東京医療保健大学学事顧問武田純三

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