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【薬剤】常用薬を確認する……心房細動に対する抗血栓薬は、予想される出血量と手術の侵襲度に応じて、継続・中止を検討する。【治療】電解質を確認する……不整脈の原因となる電解質異常は術前に治療を済ませておく。【症状】重症例をみのがさない……重症の不整脈があれば精査と治療を行い、病態が安定した後に手術を実施する。やるやるやらない 麻酔科医の視点 心疾患や不整脈の既往があれば、12誘導心電図検査を行う1)。左脚ブロック、虚血性ST変化、多源性または連発性心室期外収縮、MobitzⅡ型以上の房室ブロック、洞不全症候群では心エコー検査等の精査が必要となる。症状やほかの検査所見と合わせて重症度を評価し、術前に必要な治療を検討する。ペースメーカや植込み型除細動器の適応があれば術前に実施する。常用薬を確認し、術中投与の必要性を検討する。心房細動患者では、予想出血量と手術侵襲度に応じて、抗血栓薬の継続・中止を検討するが、ガイドライン3)などを参考にして、施設ごとの基準を設定する。 看護師の役割 問診票やおくすり手帳の記載内容から、不整脈患者であることを把握する。心房細動患者では、抗血栓薬の中止忘れが手術の延期を招くので注意する。合併症に電解質異常をきたす代謝・内分泌疾患がないかを確認する。ペースメーカ手帳には重要な情報が記載されているので、来院時には必ず持参するよう説明する。術前評価・指導のポイントⅠ 術前評価・指導周術期のチェックポイントやるやらない16オペナーシング2020年秋季増刊号

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