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【薬剤】術前の内服薬、点滴の内容と服薬遵守を確認する……肺高血圧症治療薬は術直前まで継続することが大切である。区域麻酔を選択する場合、抗凝固薬の投与スケジュールに注意する。【問診】重症患者を見分けるポイントを押さえる……安静時呼吸苦、代謝性アシドーシス、低酸素血症、右心不全(浮腫、肝腫大、頸静脈怒張)、失神歴がみられる患者は重症で、死亡率が高い3)。【検査】心エコー検査の結果をチェックする……肺高血圧症では右心不全が進行する。また卵円孔開存は奇異性塞栓症(脳梗塞)の原因となる。【既往歴】肺高血圧症に併存する疾患がないか確認する……膠原病患者では関節可動域制限や皮膚の脆弱性が問題となる。またCOPD患者ではブラ破裂による気胸などの圧損傷が起こる可能性がある。【その他】術式と侵襲度、予定時間、予想出血量と輸血準備、帰室先を確認する……どこまでのモニタリングが必要か、全身麻酔を避けることが可能かどうか、輸血準備は十分かなどの検討を行う。分離肺換気を要する胸部外科手術が最も管理困難である。数十分の検査でも死亡例があることから、術後は原則として集中治療室へ収容すべきである。やるやるやるやるやる 麻酔科医の視点肺高血圧症患者では酸素、カルシウム拮抗薬、PDE-Ⅲ阻害薬、プロスタグランジン製剤、利尿薬、抗凝固薬、鉄剤などが投与されていることが多いが、それらの内容と服薬遵守を確認する。問診や身体所見、心エコー検査や心臓カテーテル検査で患者の重症度や併存症の評価を十分に行う。禁煙もしておきたい。これら最善が尽くせない待機手術は延期すべきである。 看護師の役割上記の患者情報について詳細を得る。術者が肺高血圧症を軽視している場合、評価不足のまま手術申し込みがされることもある。診療科間の認識の溝を埋め、情報共有することにより、ベストな周術期管理に努める。膠原病患者では体位固定や除圧、皮膚保護にも工夫が欠かせないので、その点もチェックする。術前評価・指導のポイントⅠ 術前評価・指導周術期のチェックポイントやるやらない80オペナーシング2020年秋季増刊号

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