消化器内視鏡外科手術A:食道・胃第2章70 OPE NURSING 2021年 春季増刊胸腔鏡下食道がん手術:手術の流れと看護のポイントあんしんポイント 胸腔内操作では、上縦隔リンパ節郭清が山場! 特に左右の反回神経周囲リンパ節は転移頻度が高く、郭清が不十分であると再発をきたすため確実な郭清を要する。郭清時、反回神経の温存が必要であるが、反回神経は損傷しやすく、嗄声や嚥下障害をきたす1)ので要注意!あんしんポイント 腹部操作では、胃管作製が山場! 胃管は創外で自動縫合器を用いて、大弯側細径胃管を作製する。右大網動脈が主に胃管の栄養血管となるので、手術操作は愛護的に!あんしんポイント 頸部操作では、食道胃管吻合が山場! 吻合には手縫い吻合と器械吻合があり、器械吻合には自動吻合器と自動縫合器を用いる方法がある。縫合不全や吻合部狭窄をきたさないように慎重に!12322手術の流れチャート使用する器械・デバイス(例)1腹臥位でポート挿入▼2下縦郭操作(胸部下部食道傍リンパ節・横隔膜上リンパ節・後縦隔リンパ節郭清)▼3中縦隔操作(胸部中部食道傍リンパ節・気管分岐部リンパ節・主気管支下リンパ節郭清)▼4奇静脈弓の切離▼5上縦隔操作(胸部上部食道傍リンパ節・左右反回神経周囲リンパ節・気管気管支リンパ節郭清)▼6食道の切離▼7閉創、仰臥位に体位変換▼8胃上部切除、腹腔内リンパ節郭清(左胃動脈切離)▼9胃管作製▼10頸部のリンパ節郭清▼11頸部食道胃管吻合▼12閉創①電気メス(スパチュラタイプ)、②直角鉗子、③剝離鉗子(メリーランド)、④剝離鉗子(ナターシャ)、⑤把持鉗子(マンチーナ)、⑥有窓把持鉗子(曲)、⑦有窓把持鉗子(直)、⑧ハサミ鉗子、⑨吸引管、⑩持針器、⑪超音波凝固切開装置(ソノサージ)、⑫血管シーリング装置(リガシュアTM)
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