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第2章消化器内視鏡外科手術 A 食道・胃OPE NURSING 2021年 春季増刊 71器械出し看護のポイント 使用するトロッカーのサイズや種類を術前に確認し、準備しておく。第1トロッカー(カメラポート)を留置したら、内視鏡を挿入するので、曇らないように先端を熱湯で温めておく。外回り看護のポイント 内視鏡を挿入したら、気胸を行うので、気腹装置の準備をしておく。また、トロッカーをすべて挿入し終えたら、無影燈のスイッチを消す。なお、胸膜癒着が激しい場合は、開胸に移行することがあるので開胸器具を準備しておく。 まず、第5肋間から12mmトロッカーをオプティカル法2)で挿入する。挿入時、肺を損傷しないように、ゆっくり、慎重に行う。先端に出血があれば肺損傷の可能性が高い。肺を確認すれば、内筒を抜去して送気を行い、肺が虚脱すれば、トロッカーをしっかり挿入する。2本目以後は、胸腔側から内視鏡で確認しながら挿入する。術者の操作と気をつけるポイントポート挿入1場面ごと解説 下~中縦隔では、食道傍、横隔膜上、後縦隔、気管分岐部、主気管支下リンパ節の郭清を行う。エネルギーデバイスで郭清するが、下肺静脈や気管膜様部や気管支の損傷に留意し、確実に止血しながら剝離する。中縦隔の剝離に続き、奇静脈を自動縫合器で切離するが、奇静脈背側の右気管支動脈を損傷しないように注意する。術者の操作と気をつけるポイント下~中縦隔操作・奇静脈切離2器械出し看護のポイント モニターで術野を注視し、出血に対しては吸引管、ガーゼやサージセルなどを準備し、迅速な止血に対応する。また、エネルギーデバイスの先端は組織凝固塊が付着すると能力が低下するので、術者から戻ると都度、掃除するようにする。奇静脈の切離時は自動縫合器とカートリッジを確認し、準備しておく。外回り看護のポイント 出血時は、ガーゼを複数挿入することになるので、挿入したガーゼと取り出したガーゼを記録し、ガーゼの迷入や遺残がないようにする。奇静脈切離時は自動縫合器の器種を確認しておき、器械出し看護師にすぐ渡せるように準備しておく。下縦隔リンパ節郭清奇静脈切離第9肋間第7肋間第7肋間第5肋間第3肋間肩甲骨

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