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編者のことば今本治彦市立貝塚病院 院長 1990年に日本で初めて腹腔鏡下胆囊摘出術が行われて、30年が経過しました。それ以前の外科手術は、大きく切開し良好な視野で安全に手術を行うことが鉄則でしたので、当初はいろいろな批判もありました。「患者に優しく術者につらい手術」であり、最初のころは、デバイスはほぼ電気メスのみで、小切開層からの郭清や結紮などが行われていましたが、手術の器械・機器が発明されるとともに内視鏡外科手術用に改良され、ほぼ傷のない手術が可能となってきました。その間、いろいろな領域へと適応も広がり、単孔式やニードル手術、そしてロボット支援手術とますます進化しています。 しかしながら、小さな傷から手術を行うというこの手術の性質上、現在でも問題点があります。機器に頼った手術であること、機械の種類が多いこと、特殊な手術体位が必要なこと、そして緊急対応が難しいことなどがあげられます。これらをいかに克服するかが重要であり、そのためには医師、看護師、臨床工学技士などの手術スタッフのチーム力が不可欠です。 今回、内視鏡外科手術の基本といえる総論、および一般によく行われている術式を選んで、チームに必要な知識を特集いたしました。術前の訪問より手術のセットアップ、実際の器械準備や直接介助などはweb動画にてわかりやすくお示しいただきました。また、機器、機械についても詳細に記載しています。 重要なポイントを列挙していますので、各々の病院で自院に合ったやり方でこのポイントを押さえていただければと思います。 本書が、皆さまの手元に常に置かれ、内視鏡外科手術施行のバイブルとなれば幸いです。これを参考により安全で質の高い内視鏡外科手術をチームで進めていただきたいと思います。2 OPE NURSING 2021年 春季増刊

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