第1章内視鏡外科手術の総論 A 総論OPE NURSING 2021年 春季増刊 15なぜこうする? あんしんポイントモニターの理解 内視鏡外科手術は、スコープを光源器に接続し、胸腔や腹腔内をモニター画面に映し出して手術を行うため、画像の鮮明度が手技に影響する。 スコープからの光信号を電気信号に変換するcharge coupled device(CCD)半導体製品が用いられ、スコープからの映像や画像は小さな点を集めて表示される。その点を画素(ドット)といい、画素数が多いほど画質がよい。2Kや4KのKは1,000を意味しており、4Kとよばれる画素数は4K(4,000)×2K(2,000)の800万画素である。ハイビジョン(HD)は2Kで200万画素であり、Kが高いほど画質がよい。2Dや3DのD(dimension)は次元であり、2次元、3次元を意味する。3Dによって、平面的な2D映像では困難であった対象臓器の奥行きの把握が容易となり、迅速で正確な内視鏡外科手術が可能となった(鉗子については、p.23参照)。硬性鏡と軟性鏡 硬性鏡は、光学視管、カメラヘッド、ライトガイドケーブルからなるが、これらが一体型の機種もある。硬性鏡の特徴として先端に可動性がなく、鉗子などのデバイスが当たっても術野がぶれにくい。また、軟性鏡と比べて光量が多く、主に胸腔や腹腔鏡手術で使用され、種類は直視、斜視がある。直視は、スコープと視野方向が同一対象臓器の位置関係が把握しやすい。斜視は、直視では死角となる部分が観察できる。 軟性鏡は、光学視管、カメラヘッド、ライトガイドが一体型となっており、操作の自由度が高いことが特徴である。しかし、慣れない術者では安定した画像が得られないなどのデメリットがある。内視鏡外科手術の適応 内視鏡外科手術の適応は、良性から悪性疾患まで多岐にわたる。代表的な疾患として、消化器では、上部消化器疾患は食道がん、食道アカラシア、胃がん、穿孔性消化性潰瘍など、下部消化器疾患は大腸がん、腸閉塞、鼠径ヘルニアなど、胆肝膵では胆石症、肝臓がんなどがある。だからこうしよう! 看護のポイントモニターの理解 施設内で異なるビデオシステムが混在する場合は、術前に使用するシステムを術者に確認する。硬性鏡と軟性鏡 硬性鏡、軟性鏡のメリット、デメリットを理解する。術前にレンズの破損や汚れがないかを確
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