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2120Neonatal Care 2016 秋季増刊間欠的強制換気(IMV)1.どんなモード? 人工呼吸の基本となるモードが間欠的強制換気(intermittent mandatory ventilation;IMV)です。IMVは、間欠的(=時々)かつ強制的に(=意思と関係なく)、換気(空気を押し込んだり開放したり)を行う呼吸器モードです1、2)。息を吸うとき(吸気時)に人工呼吸器が強制的に空気や酸素を肺に送り込み、息を吐くとき(呼気時)には空気と酸素の供給を止め、胸郭が自然に小さくなる力を利用して、空気や酸素を吐き出せるようにします。 近年、医療技術の進歩とともに患者の自発呼吸に同調した換気を行う同調式間欠的強制換気(SIMV)や補助調節換気(A/C)などがNICUで主に使用されるため、自発呼吸に同期しないIMVを使用することは少なくなりました。なぜなら、自発呼吸のある赤ちゃんにIMVを用いると、ファイティング(自発呼吸の呼気と強制換気の吸気が同時に起こること)や、それによる気道内圧(肺にかかる圧力)の上昇が赤ちゃんに負担をかけてしまうからです。しかし、自発呼吸の全くない特殊な状況、例えば筋弛緩薬使用中や手術後で麻酔から覚めていないとき、重度の神経疾患などでは、IMVを用いることがあります。ただしこの場合は、自発呼吸がないので、全ての呼吸が人工呼吸器に依存するため、厳密には持続強制換気(continuous mandatory ventilation;CMV)と呼ばれます。 いずれにせよ、ここで解説するIMVの原理をしっかり理解することで、IMVを発展させたSIMVやA/Cなど、NICUでよく使う自発呼吸と同期した呼吸器モードの理解がしやすくなります。まずはIMVの原理と設定について、p.121の 「見るみるわかる! 肺の状態と圧とフローの波形」 (以下、「肺の状態と圧とフローの波形」)で学習しましょう。IMV赤ちゃんに使われる基本のモード愛仁会高槻病院新生児小児科医長●榎本真宏 えのもと・まさひろ同 新生児小児科●田村 誠 たむら・まこと  

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