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122Neonatal Care 2016 秋季増刊操作パネル(図1)、さらに口元の呼吸器回路の様子(p.123の 「見るみるわかる!口元の模式図」、以下 「口元の模式図」)を見ながら、一つずつ確認していきます。多少の違いはありますが、どの人工呼吸器を使用する場合でも設定する項目は同様です。1)吸入酸素濃度(FIO2) まず、吸入酸素濃度(fraction of inspiratory oxygen:FIO2)は人工呼吸器から送り出す酸素濃度を表しています(「口元の模式図」)。FIO2を高く設定することで血中酸素分圧を上昇させる効果があるので、目標とする血中酸素分圧や酸素飽和度(SpO2)に合わせたFIO2の設定が必要です。過剰な酸素投与は有害であることが知られているため(酸素毒性)、不必要にFIO2を高く設定することは推奨されません。例えば、過剰な酸素投与は未熟児網膜症を増やすことが知られています。2)最大吸気圧(PIP)と呼気終末持続陽圧(PEEP) 最大吸気圧(peak inspiratory pressure;PIP)と呼気終末持続陽圧(positve 設定パラメーター設定の幅(例)意 義設定のコツFIO2(吸入酸素濃度)21〜100%酸素分圧(PO2)を制御する。目標となるSpO2に応じて設定する。Flow(定常流の速度)6〜12L/分低過ぎると目標の最大吸気圧に達しない。高いと吸気時に急激に圧が上昇する。一度設定すると、あまり変化しない。体重が大きいと大きめの値に設定する。PIP(最大吸気圧)12〜35cmH2O二酸化炭素分圧(PCO2)を制御する。胸の上がりを観察し、1回換気量をモニタリングしながら設定する。PEEP(呼気終末持続陽圧)4〜7cmH2O適切なPEEPは、肺の虚脱・ダメージを防ぐ。Ti(吸気時間)0.30〜0.70秒短過ぎると十分吸えない。長過ぎると吐く時間が不足する。呼吸回数とのバランスが重要。Rate(呼吸回数)20〜60回/分二酸化炭素分圧(PCO2)を制御する。Tiが長く呼吸回数が多いと、呼気時間が不十分になる。(文献1より引用)表1●IMVの設定パラメーター図1●Neocare 9000の操作パネル
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