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NICUに入院する赤ちゃんには、さまざまな疾患があり、それぞれ病態が違います。またNICUには、新生児医療の進歩にともない、次々と新しい医療機器が導入されていますし、今までなじんできた機器にもより高度な機能が備えられてきています。NICUで赤ちゃんをケアする私たちは、時代に遅れることなく、それぞれの赤ちゃんに応じてますますきめ細かな、複雑なケアを提供することが必要となってきています。 新人の看護師さんにとってはNICUのちっちゃな赤ちゃんに触れるだけでも大変なのに、次々に押し寄せる新しい医療機器にも慣れないといけないし、山ほどあるケアについても一つひとつの手技を覚えるだけで精一杯……という悲痛な声が聞こえてきそうです。 そんな時、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。丸覚えすることほどしんどいものはないですし、そのような知識は長く維持できません。なんといっても応用がきかないのではないでしょうか。“じゃあ、どうしたらいいの?” そう思ってこの増刊を手にしてページをめくって読んでみようと思ったあなたはきっと間違ってはいません。 NICUでは、施設によって使用する機器が違っていたり、ケアにおいてもその施設独自のやり方があったりするかもしれません。でも、機器や手技が違っていても、赤ちゃんに提供するケアの『どうして、何のために』という点は同じなのではないでしょうか。単純なケアであってもその意味を考えること、「なぜ、今この赤ちゃんにこのケアが必要なのだろうか」と考えてみることは、赤ちゃんの生理を知ることであったり、病態を理解することであったりします。この「根っこ」の部分を考え、理解し、身につけることが、NICUのエキスパートになる近道なのです。さまざまなケアの根拠を理解して「だから私はこうする!」と自信を持つことができれば、自身が大きくステップアップできること間違いなしです。知らずしらずにエキスパートです。この『新生児ケアまるわかりBOOK』がそんなあなたの助けになることができれば幸いです。 2017年8月大阪府立病院機構 大阪母子医療センター新生児科副部長 平 野 慎 也大阪府立病院機構 大阪母子医療センター新生児棟副看護師長 藤原美由紀■ はじめに ■
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