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156  Neonatal Care 2018年 春季増刊血液ガス検査血液ガス検査は新生児医療において最も頻回に行われる検査の一つであり、実際の臨床症状と合わせて血液ガス所見を評価することで、病態を理解し、治療に生かすための情報を得ることができます。血液ガス検査を行う主な目的は、①呼吸が順調に行えているか、②酸塩基平衡が保たれているか評価することです。まずは、呼吸と酸塩基平衡の基本的な事項について解説していきます。1.呼吸とは呼吸には、肺で行う「外呼吸」と、細胞で行う「内呼吸」とがあります(図1)1)。外呼吸によって肺から取り込まれた酸素は、赤血球のヘモグロビンと結合し、心臓のポンプ機能によって体中の組織へ運ばれます。末梢組織の細胞では内呼吸として酸素(O2)を取り込み、ブドウ糖などの有機物からエネルギー(ATP)を取り出し、二酸化炭素(CO2)が発生します。そのCO2は再び血流に乗って肺へ戻り、外呼吸によって大気中へ排出されます。この一連の流れが呼吸であり、呼吸が順調に行われ、血液ガスのO2とCO2の値が正常に保たれるためには、肺の機能だけでなく、心臓の機能・血液循環・細胞内の代謝のいずれもが順調でなくてはならないのです。②血液ガスの異常図1 外呼吸と内呼吸(文献1を元に作成)酸素肺心臓細胞TCAサイクル38ATPCO2H2O[嫌気性]二酸化炭素大気内呼吸外呼吸[好気性]グルコースピルビン酸乳酸2ATPO2

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