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低血圧もしくはショック13章新生児の循環器疾患のくすり胎盤循環から、血管抵抗の高い新生児循環に切り替わるため、急な後負荷増加に耐えることができず、心不全を生じることがあります。また、陽圧換気を必要とする場合、高い胸腔内圧による前負荷減少で心不全を生じることがあります1)。心筋の収縮には、細胞内カルシウム(Ca)濃度が関係しますが、未熟な心筋は、Caを貯蔵する細胞内小器官の小胞体の働きが未熟なため、容易に細胞内Ca濃度が低下し、心収縮力が低下します2)。未熟児動脈管開存症は、心不全に関わる重要な要因で、動脈管を介して高圧の大動脈から低圧の肺動脈に、収縮期・拡張期を通じて連続性に短絡血流が生じ、肺血流量増加によるうっ血性心不全と、体血流量減少による臓器血流低下の病態を来します。さらに、絨毛膜羊膜炎(chorioamnionitis;CAM)、新生児仮死、IVH、壊死性腸炎(necrotizing enterocolitis;NEC)など、超早産児の心臓血管系に対し内外のさまざまな要因が加わると、心筋が障害されたり、血管が拡張したりします。そして、出血や血管透過性亢進により、血管内から血管外(サードスペース)に水分が漏れ出したりして、循環血液量が減少することで血圧は低下します1)。臨床のギモンに答えるQ&A超早産児の低血圧の定義は複数あるため、各施設で用いられる基準によって、目指す血圧が少しずつ異なります。周産期循環管理研究会のアンケート結果からは、児の在胎期間を目標に、平均血圧を管理する施設が多いようです3)。例えば、在胎24週の超早産児が出生したら、平均血圧が24mmHgを下回らないように治療を行います。 一方で、出生直後より超早産児が低血圧を認めても、主要臓器の組織循環が適切に維持されていれば、ある程度の低血圧を許容するpermissive hypotensionという考え方があります4)。この考えの下では、適切な尿量が維持され、乳酸値の上昇や代謝性アシドーシスの進行がなければ、積極的な昇圧治療を行わず管理を行いま超早産児の血圧の正常値はいくつですか?ネオネイタルケア 2018 秋季増刊  79

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