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レベチラセタム 一般名静脈内投与投与方法てんかん重積発作に使用する薬イーケプラ®5知っておいてほしいポイント新生児けいれんに対して、最近になって使用され始めた薬剤です。フェノバルビタールの次に選択する薬剤として、ホスフェニトイン、リドカイン、ミダゾラムではなく、レベチラセタムを使用する施設もあります。薬剤間の相互作用がほとんどないこと、副作用が少ないことが利点です。ただし、新生児での使用報告が少なく、日本では4歳未満は適応外使用です。薬理作用レベチラセタムの作用機序は、他の抗けいれん薬とは異なります。主な作用点は、グルタミン酸やNMDA受容体を介する神経伝達物質の放出にかかわる「シナプス小胞2A」(SV2A)です。これに加えて、カルシウム(Ca)チャネルの阻害作用、細胞内Ca2+の遊離抑制作用などにより発作を抑制します。使用上の注意レベチラセタムは、他の多くの薬剤を代謝しているCYP:cytochrome〔シトクロム〕を介さずに代謝されるので、ほかの抗けいれん薬との相互作用がほとんどありません。出生当日の半減期は16~18時間ですが、生後1週間で8~9時間となります。低体温療法中の薬物動態は報告されていません。腎排泄が主であるため、腎障害により薬物代謝が影響されるかもしれません。他の抗けいれん薬と作用機序が異なるため、他剤が無効な場合でも効果が期待でき、副作用も少なく、細やかな血中濃度測定が必要ではない点が利点です。新生児けいれんでの使用についても最近になって報告が増えていますが、まだ新生児での使用報告は十分ではありません。投与前後の赤ちゃんの観察ポイント新生児での使用報告は多くありません。意識障害、呼吸抑制、バイタルサインの変化について、幅広い観察が必要です。副作用小児や成人では、傾眠や興奮、情緒不安定の報告が多いです。小児や成人では、低血圧や呼吸抑制の副作用が少ないですが、新生児では使用経験が少ないです。引用・参考文献1) Ainsworth, SB. “Neonatal seizure”. Neonatal formuraly:Drug Use in Pregnancy & the First Year of Life. 7th ed. London, BMJ Publishing group, 2015, 292-3.2) Volpe, JJ. “Neonatal seizure”. Volpes’s Neurology of the Newborn. 6th ed. Philadelphia, Saunders Elsevier, 2017, 315. 適 応てんかん重積発作用法・用量生理食塩水、乳酸リンゲル液または5%ブドウ糖で5~15mg/mLに希釈して溶解する。1回15分以上かけて点滴静脈内投与する。新生児けいれんでの投与量について、欧米での報告を紹介する。ローディングを行わない場合は、レベチラセタムとして20mg/kg/日を1日2回に分けて開始。その後、連日10mg/kg/日ずつ増量し、3日かけて30mg/kg/日まで増量する。ローディングを行う場合は、40mg/kgで開始し、その後、30mg/kg/日で維持する1)。ローディング量30~50mg/kg、維持投与40~100mg/kg/日とする記載もある2)。140  ネオネイタルケア 2018 秋季増刊

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