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鎮静薬、筋弛緩薬は、手術の全身麻酔や人工呼吸管理下のファイティング防止の役割はもちろんですが、新生児医療では、ほかにもさまざまな用途で用いられます。たとえば、新生児遷延性肺高血圧症(persistent pulmonary hypertension of the newborn;PPHN)や、先天性横隔膜ヘルニア(congenital diaphragmatic hernia;CDH)など、重症呼吸不全に対する鎮静、早産児の脳室内出血の要因となるバルサルバ反応(後負荷変動と脳血流変動)を予防し、鎮痛作用も兼ねた鎮静などが挙げられます1)。それぞれの目的に応じた効能とともに、身体にさまざまな影響を及ぼす可能性があるため、鎮静前のリスク評価と鎮静後の全身状態の評価が重要です(図)。鎮静、筋弛緩鎮静、筋弛緩重症新生児に使用するくすり2国立病院機構岡山医療センター 新生児科森 茂弘 もり・しげひろ同新生児科医長影山 操 かげやま・みさお4章【呼吸の変化】呼吸抑制→状態にかかわらず、呼吸中枢に直接作用して起こる舌根沈下→オトガイ舌筋弛緩によって起こる無気肺→線毛運動の抑制、呼吸抑制、体動の消失により起こる【循環の変化】末梢血管拡張→延髄血管運動中枢刺激によって交感神経が遮断されるために起こる徐脈→迷走神経中枢核が刺激されることによって起こる低血圧→末梢血管拡張、心筋収縮低下により起こる消化不良、便秘→腸管蠕動の抑制により起こる低体温尿閉皮膚トラブル状態の低下→中枢神経抑制作用によって起こる図鎮痛・鎮静・筋弛緩薬を投与中の赤ちゃん(文献1より引用 )ネオネイタルケア 2018 秋季増刊  141

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