2節ルート確保と採血with NEO 2019 秋季増刊56 高濃度の輸液や、状態の悪い児に緊急性の高い薬剤を投与する場合に中心静脈カテーテルを挿入する1)。①極低出生体重児や外科疾患など、中心静脈栄養を必要とする児②状態の悪化する可能性のある児(急変時に対応する目的)③長期輸液管理を必要とする児(点滴の取り直しを回避する)④血管外漏出を来しやすい薬剤投与をする児(カルシウム製剤、高浸透圧輸液製剤、カテコラミン)⑤末梢血管の確保が困難な場合(合併症を考慮し安易には行わない) 必要と判断された場合には速やかに処置を行う。特に極低出生体重児は処置中に体温が下がり状態が悪化することもあるため、適宜体温測定を行いながら保育器内で速やかに処置を行う。処置に時間が取られ、また覆い布により直視下での全身把握が困難な中ではあるが、全身状態の確認を怠らないように注意を払う。①ArgyleTM PIカテーテルキット(シングルルーメン、ダブルルーメン)②血管留置針(付属のピールオフカニュラの代用)(JELCOⓇ、BDインサイトTM)③鑷子(無鈎で溝のついていないものが好ましい)④1%クロルヘキシジンエタノール、アルコール綿⑤カテリープラスⓇ(フィルムドレッシング)、デュオアクティブⓇCGF⑥固定用テープ、止血綿球、必要あればトランスイルミネータ1.目的・適応・対象2.タイミング、所要時間の目安3.必要物品10中心静脈カテーテル【動・静脈ルートの確保】淀川キリスト教病院小児科副部長 豊 奈々絵ゆたか・ななえ
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