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総論NCPR2020ガイドライン改訂ポイント:早わかりチェック!NCPR2020 出生直後の新生児のケアガイドライン改訂ポイント11with NEO  2021  vol.34  no.2(183 )7場合に「努力呼吸」と「チアノーゼ」を確認する。NCPR2015では“共にあり”のときに介入のステップに進んだが、NCPR2020では“どちらかあり”としてSpO2モニタを装着して、必要時に介入のステップに進むこととした。細かな点を含め上記11カ所の改訂となる1)。 NCPR2020アルゴリズム(図)1)を提示して解説する。1救命の流れの直線化 NCPR2015までは蘇生の初期処置後に「心拍と呼吸」の評価で左に分岐する“救命の流れ”と右に分岐する“安定化の流れ”とを左右対称性に配置していた。NCPR2020では新生児の予後改善に大きく寄与する蘇生の本流である“救命の流れ”を、新たに加えたブリーフィングをスタートとして直線化し強調した。2ブリーフィングと出生の追加 Briefingは適切な日本語訳がないまま“ブリーフィング”として医療用語で定着しつつある。元々は軍事用語として、「事前の確認、打ち合わせ」の意味で用いられており、分娩立ち会いの場では意識せずブリーフィングが行われていることが多い。ブリーフィングと蘇生後のデブリーフィングの効果についてスコーピングレビュー(ScopRev*)が行われ、ブリーフィングまたはデブリーフィングが児およびスタッフの短期的な臨床成績およびパフォーマンスのアウトカムを改善する可能性があると結論づけた。従来の蘇生の役割分担や物品の確認と接触感染予防に加えて、severe acute respiratory syndrome-corona virus 2感染流行下で、飛沫感染予防やそのための装備の準備を含めたブリーフィングの重要性から出生と共にアルゴリズムへ加えた。3胸骨圧迫開始時に酸素投与を追加 有効な人工呼吸を30秒間行った後の評価で心拍60/分未満であれば、人工呼吸に加*ScopRev;CoSTR作成のためエビデンス評価法の一つである。トピックまたは設問に関するエビデンスの規模、範囲、および性質を特定するために設計され実施される。特定されたエビデンスを分析し、その価値と蘇生法の実践または研究への影響の決定に使用する。

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