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 不整脈は循環器診療のなかでウエートの高い分野です。そのため、循環器外来あるいは循環器病棟で働くナースにおいては、興味のあるなしは別として、多くの不整脈患者さんに接しなければなりません。しかし、くすりの作用が難しくて理解できない、心電図がうまく読めない、カテーテルアブレーションや植込み型デバイスなどの特殊治療のケアがわからない……などさまざまな理由から、不整脈に対して苦手意識を抱えているナースは多いといえます。ですが、苦手意識とは裏腹に、不整脈の患者さんは年々増え続けており、ナースが接する機会も今後はもっと多くなっていくものと思われます。それに応じて、適切な対応やケアが求められるようになっていきます。 そのような時代背景を踏まえて、不整脈に対して“ニガテ意識”をもつナースのために、不整脈をどう理解したらよいのかを整理したうえで基本的知識を押さえ、不整脈の治療とケアについて焦点をあてた増刊を企画いたしました。心電図や不整脈のメカニズムを理解し、くすり・デバイス・アブレーションといった不整脈管理に必要な治療法について識ることができ、患者さんの不安に寄り添い、適切に対応できることが大切だという考えを学び取っていただける1冊を目指しました。読者対象にしたのは、循環器看護にかかわる主に新人〜中堅のナースです。 誌面のポイントとしては、各項目に“ふんわりタイトル”といったサブタイトルをつけることで難しそうなイメージから離れてもらい、身近に感じてもらえる会話文によって、「あるある!」「わかる!」と、共感できる構成としています。そしてイラスト満載の解説で、“ニガテ意識”がクリアになるように工夫いたしました。 第1章では、『不整脈がニガテなあなたへ』と題して、ナースがどのように不整脈を理解すればよいのかについて解説し、また不整脈MAPでそれぞれの特徴がひと目でわかるようにしました。第2章では、知っておいてほしい不整脈の特徴をポイント形式で解説し、同時に心電図の読み方を含めて理解できるように構成しました。第3〜5章は、『これで完ペキ! 不整脈の治療&ケア』と題して、くすりの種類・使い方・作用機転、アブレーションの原理・実際の方法・合併症、デバイスのしくみ・適応・注意点など、知りたかったことがふんだんに盛り込まれた内容となっています。さらに、それぞれの文末には、「ニガテ意識のクリアポイント」として、格言のような文章も入れています。 執筆を担当したのは、初心者にわかりやすく解説できることで知られたエキスパートの医師たちです。本増刊を通読して不整脈治療全体を理解することはもちろんですが、知りたかった箇所を拾い読みしてその部分だけを理解することができるようにもなっています。イラスト化できるものはすべてイラストとして描写していますので、忙しいナースにとっても活用しやすい構成です。きっと、皆さんの“ニガテ意識”が払拭できるものと確信しております。 ぜひ、本増刊を職場の手に取りやすいメイン本棚に置いて随時活用していただければ、企画した者として本望です。 2016年9月東邦大学大学院医学研究科循環器内科学 教授 池田隆徳循環器ナース必見! ニガテ意識がクリアに!はじめにきる構成としています。そしてイラスト満載の解説で、“ニガテ意識”がクリアになるように工夫いたしました。本望です。

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