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急性心筋梗塞(AMI)4診断 急性心筋梗塞の救命、予後改善のためには緊急の再灌流療法〔主にPCI(経皮的冠動脈インターベンション)〕が必要です。急性心筋梗塞を疑う症状(①突然発症する強い前胸部痛、②冷汗、不安感を伴う、③30分以上持続する)があれば速やかに心電図をとり、ST上昇から急性心筋梗塞の部位を診断することが重要です(図1、表1)。 ST上昇が認められない場合でも、急性心筋梗塞は否定できません(非ST上昇型心筋梗塞)。①胸痛が持続している場合、②明らかなST変化を伴う場合は緊急冠動脈造影を考慮します。血液検査でCK、CK-MBや心筋トロポニンT、Iの上昇を認めれば急性心筋梗塞と診断されます。他疾患との鑑別 胸痛をきたし、ST-T変化やトロポニン上昇どんな気病?を伴う以下の重篤な疾患との鑑別も重要です。◦ たこつぼ型心筋症、心筋炎、心膜炎(ST上昇や陰性T波が見られることがあります)・ 肺血栓塞栓症(V1〜V3で陰性T波が見られることがあります)表1●急性心筋梗塞の部位とST変化● ST上昇、異常Q波が認められる誘導○ ST低下、R波増高が認められる誘導部位ⅠⅡⅢaVRaVLaVFV1V2V3V4V5V6責任冠動脈前壁中隔梗塞●●●●前下行枝広範囲前壁梗塞●●●●●●●●前下行枝近位部側壁梗塞●●●●前下行枝の枝か回旋枝下壁梗塞●●●右冠動脈下側壁梗塞●●●●●回旋枝か右冠動脈下後壁梗塞●●●〇〇回旋枝か右冠動脈後壁梗塞〇〇回旋枝図1●急性心筋梗塞の心電図●急性下壁心筋梗塞Ⅱ、Ⅲ、aVFのST上昇を認めるV1V2V3V4V5V6ⅠⅡⅢaVRaVLaVF●急性前壁中隔壁心筋梗塞V1〜V5のST上昇を認めるV1V2V3V4V5V6ⅠⅡⅢaVRaVLaVFHEART nursing 2017 春季増刊 * 33

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