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急性心不全1心機能を形作る要素 心機能は前負荷(心臓に流入する血液量)、後負荷(心臓が駆出する際の抵抗)、心収縮能、心拡張能、心拍数の5要因によって構成されます。どの要因が破綻し、心不全に至っているのかが重要です。心不全の病型 心不全で生じる2つの異常「低心拍出」と「うっ血」が出現しているかどうかを判定します。スワン・ガンツカテーテルで判定するフォレスター分類に代わり、最近ではノリア・ステどんな気病?ィーブンソン分類が広く用いられています(図1)。急性心不全の多くはProfile B(うっ血はあるが、低心拍出はない状態)で、Warm & Wetとも表現されます。慢性心不全の素地としてとらえる急性心不全 急性心不全で生じた心臓へのダメージは、いったんそれが改善したようでも心臓は元の状態には戻りません。急性心不全を繰り返すことで、心臓の障害は進行していきます。病態の進行を防ぐ1つの手立ては、急性心不全を起こさないことです(図2)1)。図1●フォレスター分類とノリア・スティーブンソン分類●フォレスター分類SubsetⅠSubsetⅡSubsetⅢSubsetⅣWarm & Dry(Prole A)Warm & Wet(Prole B)Cold & Dry(Prole L)Cold & Wet(Prole C)●ノリア・スティーブンソン分類2.2平均肺動脈楔入圧(mmHg)18(L/min/m2)心係数●Wet(うっ血所見):起座呼吸・頚静脈圧上昇・浮腫・腹水・バルサルバ操作による矩形波・肝頚静脈逆流●Cold(低灌流所見):低い脈圧・四肢冷感・傾眠傾向・ACE阻害薬で過度の血圧低下・低ナトリウム血症・腎機能低下フォレスター分類に比べて、ノリア・スティーブンソン分類は非侵襲的に病態を分類できるよ!HEART nursing 2017 春季増刊 * 133

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