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心臓は特別な筋肉細胞(心筋細胞)でできた筋肉ぶくろ 心臓は握りこぶしの大きさで、外からみると卵型をしています。その中に4つの部屋(心房・心室)が都合よく収まっています。普通は左心室が一番働き者なので、全体の8割を占めています。 心臓の組織は、心筋細胞という特別な(疲れを知らない、1日に淡々と10万回の仕事をこなす)筋肉細胞と、それを束ねる線維質・線維芽細胞で構成されます。一つ一つの心筋細胞は洞(第一発電所)から送電される電気刺激で一斉に脱分極(細胞膜の興奮)を起こし、それが収縮の束となって心室に血液を送り出すポンプの仕事をします。 筋肉が疲れないように細胞内にはATP(アデノシン三リン酸)を作るミトコンドリアがぎっしりあります。そのミトコンドリアの好気的代謝を支えているのが、冠動脈が供給する動脈血(酸素)です。心臓組織に血液を届ける冠動脈4つの心室筋肉間には細い血管と線維質心筋細胞を束ねる筋束と結合組織茶筒のような形をした一つ一つの心筋細胞上大静脈上行大動脈対角枝大動脈弓左前下行枝動脈管索大心静脈左心耳右肺動脈左肺動脈右心房左心室右肺静脈左肺静脈右心室右冠動脈下大静脈第 1 章心臓の世界へようこそ!広島大学大学院医歯薬保健学研究院応用生命科学部門循環器内科学 教授●木原 康樹(きはら やすき)心臓の解剖をみてみよう112 * HEART nursing 2017 春季増刊
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