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462017 秋季増刊2.胸部X線でIABPのカテーテル先端の位置を確認 IABPバルーンの先端は、左鎖骨下動脈より2cm下に留置します(左図)。胸部X線のオーダーが入っているかを確認し、なければ医師に撮影について確認します。胸部X線撮影後は速やかにIABPカテーテルの先端位置を確認し、異常があればすぐに医師に報告します。⃝深い場合:鎖骨下動脈の解離、穿孔のリスクがある。高い位置でIABPのバルーンが収縮と拡張を繰り返すと、バルーンは毎回屈曲した位置で駆動を余儀なくされ、バルーン損傷のリスクもある。⃝浅い場合:腹腔動脈や腎動脈、腸管動脈などの血流障害をきたし、腎不全や腸管壊死を引き起こす。ナースの動きかた心電図トリガーの場合:電極を外すとIABPが駆動せず血行動態に影響を与える可能性があります。電極を貼り替えるときなどは、医師や臨床工学技士と共に動脈圧トリガーに変更してから実施します。 患者さんにも、電極が貼ってある前胸部に手を載せる・動かすと心電図にノイズが入りIABPが正しく駆動しなくなることと、治療に伴う活動制限を説明します。動脈圧トリガーの場合:ラインから動脈血液ガスを採取するときやゼロ点較正時に圧波形が消えてしまい、IABPが駆動せず血行動態に影響する可能性があります。その際は一時的に心電図トリガーに切り替える必要があります。患者さんの感じかた 各種留置物に囲まれて恐怖や不安を感じています。身体の苦痛があってもどうしたらよいかわかりません。初めてCCUに入室する人や、各種医療機器の装着経験がない人は、自分がどのように過ごしてよいのかわからず、不安が強い状態です。ドクターの考えかた IABPを至適位置に保つことは、合併症を防ぐ観点から重要です。胸部X線で毎日位置を確認し、必要があれば固定を外し、先端位置を調整します。

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