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 心臓のポンプ機能が破綻し、内科的治療では循環を維持できない重篤な状態にある患者さんに対して、心臓のポンプ機能や肺機能の代替として補助循環装置が用いられます。 体外循環を施行中の患者さんに安全かつ必要な看護ケアを選択するためには、臨床判断が重要となります。それには、体外循環の原理から機器管理などの幅広い専門的知識と技術が不可欠です。さらに体外循環の管理には、医師・看護師・臨床工学技士との情報共有や連携が重要となります。 本書では単に補助循環の基本を解説しているだけでなく、「何を観察するのか」「起こっている現象は何が原因で起こっており、どのように判断するのか」「どのように看護を提供するのか」「合併症をどのように予防していくのか」などを医師、看護師、臨床工学技士の視点から、エキスパートならではの「コツ」や「ワザ」を含めてわかりやすく記しています。 さらに臨床でより活用しやすいように、できるだけわかりやすく、写真やイラストを多く用いて一目で理解できるように努めました。知識レベルを「初級」「中級」「上級」と設定して、その知識の習得レベルを自己評価できるように考えています。臨床で看護師が、復習や確認に使え、「見てわかる」をコンセプトに内容を吟味した補助循環の本です。 体外循環というだけで、“特別で複雑な機器、看護も難しいのでは……”という苦手意識を持つ看護師も多いのではないでしょうか? でもこの一冊があれば大丈夫、苦手意識の克服の一歩になれば幸いです。 ぜひ、多くの看護師に本書を手にしてもらい、臨床の場で実践に役立てていただきたいと思います。患者さんへのより良い看護の提供につながることを願います。 最後に、多忙な中、医学監修を務めていただいたお二人の先生方をはじめ、快く執筆を引き受けていただいた皆さまに深く感謝申し上げます。また、執筆にあたり、配慮いただいたメディカ出版編集部の皆さまにもお礼を申し上げます。IABP・PCPS・VADの看護に携わるナースの皆さんへ山名 比呂美兵庫県立尼崎総合医療センター看護管理室看護部次長 集中ケア認定看護師

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