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治療と看護のワザ&コツ~患者さんはもう任せて!~第 章45-2循環管理の基礎(モニターの見かた、循環アセスメント)HEART nursing 2018春季増刊209い、重症心不全や劇症心筋炎、致死性不整脈による循環不全に対する心ポンプ機能の補助、体外循環離脱困難や心肺停止の患者さんに使用されます。大腿動脈と大腿静脈からカニュレーションし、人工肺で酸素化した血液を遠心ポンプで体外循環させることで、左室機能を補助する装置です(p.184〜189参照)。1年目ですぐに受け持つことはないと思いますが、体位変換や清潔ケアの一員になることはあります。IABP同様に、適応とPCPSの作用効果、主な合併症と観察ポイントを理解しておきましょう。適切な体位管理★ルートやチューブ類に注意し、患者さんの循環動態の安定化を図ろう! 近年、急性期から積極的にリハビリテーションは推奨され、さまざまな心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドラインにおいても同様に提唱されています2)。特に、心臓リハビリテーションは、患者さんの安静の弊害を防止し、運動耐容能の向上によりQOLを改善させます。そこで、看護師は、超急性期の患者さんに対する日常生活支援の中で、安全を考慮したモビライゼーション(体位変換など)を実施し、離床へ移行できるようケアを組み立てる必要があります。ルート管理(図7) 重症心不全などの患者さんは、さまざまな機器を装着し、多くの循環作動薬を投与され、容易に血圧が変動します。患者さんの状態を適切にアセスメントし、体位管理を行うことが求められます。図7のように、 ルートを整理し、どこから何の薬剤が投与されているのかがわかるようにしましょう。体位が循環動態に与える影響 左側臥位では、心臓が圧迫されることで心負荷が増大し、血圧が低下します。右側臥位では、下大静脈が圧迫されることで前負荷が減少し、心拍出量の減少に伴い、血圧が低下します(図8)。この機序を念頭に置き、先輩看護師に相談して体位管理を行いましょう。 ループを作り、しっかりとルートを挟み込んでテープ固定することで、簡単に抜けにくくなります。感染管理の観点からも挿入部を観察できるようにすることで、ルートが抜けかけていないかも確認できます。スキルアップアドバイス! 血圧が低下した場合はその要因を、血圧が変動しなかった場合はその介入の根拠を考えるようにしましょう。スキルアップアドバイス!図6★駆動装置とモニター(①IABP、②PCPS)①②
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