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「不整脈」となります。 その原因には、正常の伝導路以外に旋回回路が形成されるリエントリーや(図2①)、勝手に別の場所から興奮が始まる異常自動能(図2②)、何かをきっかけにして誘発される激発活動(図2③)などがあります。その回路や、異常興奮部位を直接治療できるのがカテーテルアブレーションです。このあたりの原理は少し難しいので、不整脈の診療に慣れてからで十分ですから、詳細は割愛します。カテーテルアブレーションの原理 心筋焼灼の原理は、心筋に直接接地するアブレーション用のカテーテル先端と通常背部や大腿部に貼った対極板との間で通電し、ジュール熱でカテーテル先端が接地している部分に火傷を起こします(図3)。これにより不整脈の回路となっている一部の刺激伝導系や心筋自体に傷害を与え、不整脈が発生しないようにします。 そもそも不整脈の診断をするうえでは、心臓内に電極を直接挿入し、局所の電位を確認する必要があります(図4、5)。電極から得られた電気情報(電位)を見ながらどのように電気が流れているか、どこに発生源があるかを調べ、診断をしていくことが基本ですが、最近はさまざまなマッピングツールが出てきており(図6)、その診断精度は向上しています。 図7に示すのは、3次元マッピングシステムの一つ、CARTOⓇマッピングシステムの原理です。心腔内の電位情報とカテーテルの位置情報を同時に記録します。その位置情報の認識機能は、車のGPSと同じ原理で、背部に3つの磁場発生装置を配置し、カテーテルの先端でその磁気を感知することで、3次元的な位置情報が取得できます。さらに通常のカテーテルと同様に、先端の電位情報を得ることができるので、位置情報と電位情報を合わせて記録できます。このシステムを使用することで、より正確な診断と高い治療成功率が得られるようになってきました。図2 ● 不整脈の原因①リエントリー、②異常自動能、③激発活動不整脈発生①②③図3 ● アブレーションの原理背中や大腿に対極板を貼り、カテーテル先端と対極板の間で通電し、ジュール熱を発生させる心筋内側電極アブレーションカテーテルジュール熱による傷害を与える新しいカテーテル治療4章HEART nursing 2018 秋季増刊 * 211

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