カテ室に入る前に知っておこう1章カテーテル治療とは北里大学 医学部循環器内科学 ● 柿﨑良太 (かきざき りょうた) 心臓カテーテル治療とは、多くの場合に冠動脈に対するカテーテル治療〔(経皮的冠動脈インターベンション(PCI)〕を指しますが、広義にはカテーテルを用いた心疾患に対する治療全般を指します。 カテーテル治療では、血管内に挿入されたカテーテルを用いて治療を行うため、多くの疾患を局所麻酔下で治療することができます。そのため、外科的治療に比べると患者さんの負担が少なく、低侵襲な手技で症状を改善することができます。治療技術やデバイスの進歩により、カテーテルで治療可能な心血管は多岐にわたります(表1)。心臓カテーテル治療って何? どこまで治療ができるの?1疾患名治療法冠動脈疾患狭心症急性心筋梗塞経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention;PCI)弁膜症大動脈弁狭窄症経カテーテル大動脈弁植込み術(transcatheter aortic valve implantation;TAVI)僧帽弁狭窄症経皮的僧帽弁裂開術(percutaneous transvenous mitral commissurotomy;PTMC)僧帽弁閉鎖不全症経カテーテル僧帽弁形成術不整脈高周波カテーテルアブレーション(radiofrequency catheter ablation;RFCA)末梢動脈疾患血管内治療(endovascular treatment;EVT)表1 ● カテーテルで治療可能な疾患と治療法10 * HEART nursing 2018 秋季増刊
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