全身から灌流してきた静脈血はまず右心房へ入り、その後右心室から駆出され、肺動脈を通って肺循環へ入ります。肺循環で二酸化炭素と酸素のガス交換を終えた血液は、左心房で受け取られ、左心室から駆出され大動脈を通って全身へ運ばれます(図1)。 それぞれの正常圧は、右心房(平均圧<4mmHg)、右心室(収縮期圧/拡張期圧<25/4mmHg)、左心房(平均圧<8mmHg)、左心室(収縮期圧/拡張期圧<120/8mmHg)程度です。右心系の圧が左心系に比べてかなり低く、また肺循環の方が体循環よりも圧が低くなっています。 全身から戻ってきた静脈血が低圧ポンプである右心系から肺循環へ入り、そこで酸素と二酸化炭素のガス交換が行われます。その後、高圧ポンプである左心系へ血液が流入し、全身へと駆出されます。つまり、正常な血液の流れや正常圧を知っておくことで、疾患への理解が深まります。 例えば、肺血栓塞栓症で肺動脈の一部が閉塞してしまうと、閉塞していないほかの血管への血液問題 の解説●1心臓で血液はどう流れていく?正常圧は右心系と左心系どう違う?問題 の解説●2正常な血液の流れや正常圧を知ろう構造を知り疾患と症状をつなげよう 図2心臓での血液の流れ図118(18)HEART nursing 2020 vol.33 no.1
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