静脈内投与・皮下投与が可能なPGI2誘導体トレプロスチニル(トレプロストⓇ)103適応は?◦肺動脈性肺高血圧症。禁忌の患者さんは?◦本剤の成分に対して過敏症の既往あり。◦右心不全急性増悪時(本剤開始により症状を悪化させる恐れあり)。◦重篤な左心機能障害を有する(本剤開始により症状を悪化させる恐れあり)。◦重篤な低血圧(本剤開始により症状を悪化させる恐れあり)。そのほか投与前に確認しておくべきこと◦24時間持続投与するため、自宅で薬液調製・交換などの管理が必要です。患者さん本人の体調不良時などにこれらをサポートできる方が周囲にいるかどうかを導入決定前に確認しましょう。使用方法は?静注、皮下注、吸入の3経路の投与方法がありますが、日本で承認されているのは静注と皮下注です。吸入は現在治験が進行中です。用法・用量◦低用量から開始して、忍容性を確認しながら増量し、患者さんごとに適切な量を決定します。◦20mg・50mg・100mg・200mgの4種類があります。使用する薬剤および投与量は患者さんごとに異なり、また同じ患者さんであっても病状によって変更となる場合があります。主治医の指示に従って使用してください。◦消失半減期は0.8~4.6時間とエポプロステノールと比し延長しており、室温下での溶液安定性も増しているため、静脈内投与2日ごと・皮下投与3日ごとに交換を行います。◦必要量はエポプロステノールの1.2~3倍(平均すると1.3~1.5倍程度の用量換算で投与されていることが多い)とさまざまな報告がありますが、同等の強さではありません。◦37℃では、希釈後は48時間以内、希釈せずに薬液容器に入れた場合には72時間以内に投与を終了します。それ以降の薬液安定性は確認されておらず、効果が失われる可能性があります。◦本剤は1つの瓶から複数回薬液を抽出しますが、開封後は30日以内に使用しましょう。【持続静脈内投与】専用の携帯型精密輸液ポンプを用いて中心静脈に24時間持続投与を行います。薬液は、日局注射用水または日局生理食塩液で希釈して使用します( 図4 )。【皮下投与】精密持続点滴装置(注射筒型輸液ポンプ)を使用し、自己挿入型皮下カテーテルを経由して持続皮下投与します( 図5 )。静脈内投与と異なり、薬液は希釈せずにそのまま投与します。内服薬注射薬注射薬点滴薬点滴薬貼付薬吸入薬薬薬内服薬貼付薬吸入薬mgによってキャップとラベルの色が違う174 HEART nursing 2020 春季増刊
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