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145HEART nursing 2020 秋季増刊ステージごとの患者さんの病態・治療・ケアを知ろう!「高齢だから」ではない息切れを聞き取る有効な先制診療の第1歩は、心不全増悪に早く気づき、受診行動へつなげることです。代表的な症状は息切れですが、高齢者病ともいえる心不全では、「歳のせいで、息が切れるようになった」などと一種の経年変化とみなされる場合が少なくありません。さらに、記銘力低下、難聴、構語・発音障害、認知症、1人暮らしのために認識力が乏しいことに加え、身体活動度が低く労作時息切れ自体が生じにくいため、具体的な行動様式に沿った聞き取りが必要です。消化器や精神・神経症状が出ることもありまた、食思不振や悪心などの消化器症状、見当識障害やせん妄などの精神・神経症状といった非特異的な症状が前面に出ることがあります。1週間で2~3kgの体重増加うっ血のセルフ指標の代表は体重で、1週間で2~3kgの増加が心不全増悪を示唆することをまず指導します。ただし、心不全増悪時に体重増加を認めない例も少なくなく、ほかの臨床指標を指導すべき症例も存在します。立位・坐位での頚静脈怒張セルフ指標としても便利な身体所見として紹介したいのが、頚静脈怒張です。症状から心不全増悪に気づく1徴候から心不全増悪に気付く2 心臓は異常があっても、症状を出しにくい「慎ましい」臓器です。臨床的に心不全徴候が出現する前に、水面下の血行動態的にはうっ血状態を呈していることが少なくありません。事実、臨床的にうっ血症状が露見する前に、1週間ほどかけて心臓内圧が徐々に上昇する現象が報告されています1)。 うっ血のセルフ指標の代表は体重で、1週間で2~3kgの増加を心不全増悪の目安におきます。

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