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231HEART nursing 2020 秋季増刊さまざまな症例から意思決定支援を考えよう!第4部急性期入院当日は急性心筋炎で収縮能も著明に低下し、いつショック状態に陥ってもおかしくない状態です。Aさん本人および家族、あるいは恋人にどのような対応をしますか?ポイント急激な発症後に立て続けの検査・緊急入院、そして『急性心筋炎』という聞き慣れない診断名に対するそれぞれの反応(精神的・社会的側面)を把握するとにかく驚いているし怖い。感冒だと思っていたのに突然意識消失し、『急性心筋炎』と診断されて緊急入院となっているので、Aさんが驚いて自身が今後どうなっていくのか恐怖心を抱くのは、極めて当然だと考えます。恐怖心を和らげる必要はありますが、今の状況はショック状態に陥ってもおかしくない状態なので、まずは医師から正確な病状・治療方針についてインフォームドコンセントをしてもらいます。Aさん【入院時所見】・意識:清明・血圧:94/78mmHg ・心拍数:104回/min ・SpO2:94%(室気)・体温:38.5℃・頚静脈怒張:軽度 ・下腿浮腫:なし ・四肢冷感:あり・胸部聴診:Ⅲ音聴取、心雑音なし、両側下肺野でcoarsecrackles聴取・心電図:洞調律104回/min、QRS波の幅増大、心室期外収縮多発および非持続性心室頻拍・胸部X線像:心胸郭比52%、軽度肺うっ血あり・心エコー図:LVEF36%、左室全周性浮腫様肥大およびびまん性壁運動低下、軽度僧帽弁閉鎖不全あり、心嚢液貯留少量あり、下大静脈拡大あり、呼吸性変動なし・血液生化学検査:炎症所見およびトロポニンT陽性【入院後経過】 強心薬および抗不整脈薬を要するも劇症化することはなく、補助循環装置を挿入することもなく、改善した。最終的に退院前の心エコー検査では、LVEFは58%まで改善し、弁膜症もなく心電図もほぼ正常化し、独歩退院した。 以上より、急性心筋炎を強く疑い、確定診断を迅速に行うために、冠動脈評価を行うとともに心筋生検も同時に施行した。

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