どうつながっている?どうつながっている?を大調査! 肝臓に関しても「心肝連関」という概念があります。血行動態的な機序としては、低心拍出による虚血性と、体液貯留によるうっ血性があります。虚血性は肝血流が低下することで中心帯の肝細胞が壊死し、トランスアミナーゼが上昇します。うっ血性は肝静脈圧の上昇が小葉中心帯の類洞床に影響し、膨張した肝細胞が毛細胆管などを圧排し、胆道系酵素などが上昇します1)。Transient elastography法で肝臓の硬さ(LS)を測定すると、右房圧と相関があったという報告もあります2)。また、肝機能低下により低アルブミン血症になることや、薬物代謝にも影響することで全身に悪影響を及ぼします。心臓と肝臓・腸44心肝連関(文献1を参考に作成)うっ血性肝障害のメカニズム肝臓BNP=脳性ナトリウム利尿ペプチド正常の肝小葉心不全による肝うっ血(BNP上昇)⬇胆管の圧排(肝静脈圧上昇)小葉中心帯の肝細胞壊死(トランスアミナーゼの上昇)うっ血により肝静脈圧が上昇、小葉中心帯の類洞床に影響し膨張した肝細胞が毛細胆管などを圧排する。慢性心不全、あるいは重症心不全例では肝血流低下を伴い小葉中心帯の肝細胞壊死を合併する。16 * HEART nursing 2021年 春季増刊
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