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ンプ機能が低下する疾患としては、心筋梗塞や急性の弁膜症、心筋炎などがあります。心筋梗塞や弁膜症については他項で解説します。 最後に後負荷です。心臓が血液を送り出そうとするときの邪魔者です。例として、血圧が高い状態を想定してみましょう。血圧が高いということは、その血圧に打ち勝って、心臓は血液を送り出さないといけません。心臓からすれば負担になりますし、そもそも打ち勝つほどのポンプ機能がなければ、心拍出量を維持できません。送り出しきれない血液はどうなるでしょうか? 肺に溜まってしまい肺水腫になります。後負荷の上昇には、先に説明した血圧や、交感神経の緊張が関与しています。5後負荷は心臓の邪魔者、高血圧や交感神経に注意!1)バイタルサイン:特に呼吸数! まずは何事も、バイタルサインの確認です。SpO2の低下はもちろん要注意ですし、高血圧は後負荷にも関わるので重要です。不整脈によるポンプ機能の低下もあるので、心拍数、脈拍数も大切です。急変を察知するという意味では、呼吸数に特に注目してみましょう! 呼吸困難はSpO2が低下していなくても生じます。呼吸数を増やしているということは、そうしないと十分な酸素を取り込めないことを意味します。2)体液量過剰の徴候 身体所見での下腿浮腫や、肺音聴診でのcrackle(断続性ラ音)はうっ血の所見のため重要です。加えて、食事摂取量や飲水量、輸液の量を注意して観察しましょう。3)患者の意識状態、不快感 後負荷は高血圧だけではわからない要素もあります。例えば疼痛による不快感や、せん妄などによる興奮状態などでも交感神経有意となって、血管抵抗が亢進、後負荷が上昇することがあります。患者が楽に過ごせているか気にしてみてください。循環器ナースは左心不全で呼吸困難になった!FILE1HEART nursing 2021年 春季増刊 * 25

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