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頭部単純CT検査 くも膜下出血の約95%は頭部単純CT検査にて診断可能です。原則として出血量が多いほど、臨床症状は重症になります。血腫が最も厚い部位に出血源が存在することが多いです(p.58「決め手はこれ!」参照)。腰椎穿刺 採取した髄液は数本に分けます。穿刺に伴う出血では徐々に血性が減弱しますが、くも膜下出血では血性髄液が続きます(図1)。穿刺による過度の刺激は再出血を誘発する可能性があるため注意が必要です。また頭蓋内圧が上昇している場合は脳ヘルニアを誘発する可能性があるため行ってはいけません。頭部MRI検査 種々の撮像法によって少量のくも膜下出血でも診断が可能です(図2)。脳実質損傷(後遺症の原因となる)の有無や、MRA検査による出血源検索が可能です(図3)。血液検査 血小板数や凝固能などから易出血傾向の有無を評価します。脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血では高血糖、低カリウム血症を呈することもあります。胸部単純X線検査 重症くも膜下出血では神経原性肺水腫をきたすことがあります。脳血管造影検査 造影CTやカテーテルを用いた脳血管撮影によって出血源を同定します。再出血予防目的に行われる手術治療には必須の検査です。過度の刺激に注意します(p.58「決め手はこれ!」参照)。検査の進み方図1 腰椎穿刺にて採取した血性髄液血性髄液。くも膜下出血患者では、採取髄液を数本に分けて血性が減弱しないことを確認する。穿刺に伴う外傷性出血では、血性は徐々に減弱する。血性髄液56*EmergencyCare2017夏季増刊
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