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120Emergency Care 2018 新春増刊引用・参考文献1)厚生労働省医政局.非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用について.平成16年7月1日医政発第0701001号.2)鈴木昌ほか.看護師が電気的除細動の施行を躊躇する原因の検討.日本救急医学会誌.15(6),2004,209-15.(図11)。Step4ペーシングレートを60~80ppmに設定します(図12、13)。Step5ペーシング強度(出力)を0mAとして開始ボタンを押します。Step6ペーシング強度を徐々に増やし、画面でペーシングスパイクの波形を確認します。Step7捕捉波形(ペーシングスパイク直後の幅の広いQRS)を確認します(図13)。Step8大腿部または橈骨動脈でモニター上の心拍数が一致することを確認します。Step9安全閾を確保するためペーシング電流を5mA程度増やします。 必要に応じて鎮静・鎮痛薬の使用を考慮します。 1 .緊急時に慌てることがないようにセッティングは常に完璧にしておきますが、以下の事項には注意してください。 ・バッテリは常に充電状態 ・電極パッドは2セット以上を保管 ・電極パドル用のゼリー2. 看護師でも心肺停止患者に除細動することは可能しょうか? 心室細動時には可能な限り早く除細動を行う必要がありますが、果たして第1発見者の看護師の方は除細動をしてもよいのでしょうか? 看護師が医師不在の状況下での除細動をためらう主な原因は、法的理解の程度であるとの指摘があります2)。看護師の医行為は「医師の指示の下」で行うこととされているため、法的には看護師による除細動が医師の指示下であれば問題はないと思われます。実は保健師助産師看護師法37条にも「臨時応急の手当ER・ICUでのナーシングポイントとしての診療機械の使用」は認められており、最も緊急度の高い処置であるはずの除細動という行為自体が違法になることはないと考えられます。したがって看護師も普段からICLSやACLSなどの二次救命処置のトレーニングなどを通して、除細動器の取り扱いに習熟しておくことが望まれます(図14)。図14 二次救命処置のトレーニング風景(ACLSプロバイダーコース)
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