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551章 呼吸管理とME機器Emergency Care 2018 新春増刊ERでのナーシングポイント ここでは、救急患者対応におけるOODAサイクルという新しい概念を紹介します。以下の4つの行動の頭文字を取ってOウーダODAと呼んでいます。 OBSERVE:まず、患者の状態を詳細に観察(observe)します。特にA(気道)、B(呼吸)、C(循環)、D(神経)について介入が必要な状態か否かを評価します。呼吸療法の必要性や人工呼吸の適応は表3(→p.48)を参考に検討します。 ORIENT:次に、全体の方向づけ(orient)を行います。OBSERVEして得られた結果に対して、実際にどのような治療介入を行うかを決定するための方向付けです。そのために、患者側と医療者側の背景を把握しておく必要があります。患者側背景は、患者自身や家族の考えかた、社会的背景があります。医療者側の背景は、有効な資源(施設や資器材・スタッフ)や時間的制約があります。これらの情報を踏まえて、治療の方向付けを行います。同じ病状の患者でも背景が一致していることは少ないため、個々の状況に配慮して方向付けを行います。 DECIDE:OBSERVEした結果、ある介入(例:人工呼吸)の必要性があった場合、ORIENTにより方向付けした上で次に何をするか(例:人工呼吸を行うか否か、行う場合どのように行うか、行わない場合は何をするか)について判断(decide)します。 ACT:DECIDEされた内容を実行(act)します。 以上の行動を繰り返すことにより、時々刻々と病状が変化する救急患者に対して臨機応変かつ的確に対応します。ICUでのナーシングポイント ❶エビデンスに基づいた最善のケアとは 現在、ICUにおける看護師の業務は多岐にわたっており、患者の評価方法・ツールも枚挙にいとまがないほどです。人工呼吸器装着患者においても呼吸器離脱以外に、挿管チューブケア、気管吸引、口腔ケア、鎮静・せん妄評価、呼吸リハビリテーション、栄養療法、肺塞栓予防など、多くのケアを必要とします。これらの詳細は、診療ガイドラインや成書を参照してください。なかでも日本集中治療医学会・日本呼吸療法医学会が発表した「ARDS診療ガイドライン2016 PARTⅡ」では、現在得られるエビデンスに基づいて治療・ケアをどの程度推奨するかが記載されています。ただし、これらの情報のすべてを直ちに受け入れるのではなく、自施設の経験に基づき取り入れていきます。また、目の前の患者に必ずしも当てはまらない場合もありますので、患者ごとにケアの方針を確認しておく必要があります。❷多職種連携のチーム医療の要はコミュニケーションである 人工呼吸器装着中の患者ケアの中心は担当看護師ですが、現在ではRST(呼吸ケアチーム)が患者ケアの支援を行うようになってきました(→p.52参照)。しかし、RSTがうまく機能するためには日頃から良好なコミュニケーションを取ることが大切です。最善の患者ケアのために、自己のプライドや他者に対する偏見を捨て、職場内・職種間で相互の尊重と信頼を築くことが最も重要なポイントになります。筆者も自戒の念を込め肝に銘じてまいります。引用・参考文献1)竹内宗之監訳.え!?ここまでわかるの?人工呼吸器グラフィックス.東京,メディカル・サイエンス・インターナショナル,2015,164p.2)志馬伸朗編.わかって動ける!人工呼吸管理ポケットブック:「どうしたらいいのか」すぐわかる、チェックリストと頻用データ.東京,羊土社,2014,189p.

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