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15Emergency Care 2018 夏季増刊0心肺蘇生時に用いる薬剤Ⅰ章 蘇生ガイドラインは5年ごとに改訂されている。日本においても2015年に日本蘇生協議会(Japan Resuscitation Council;JRC)から「JRC蘇生ガイドライン2015」1)が、アメリカ心臓協会(American Heart Association;AHA)から「2015 AHA Guidelines for CPR & ECC」2)が出され、それを元に心停止症例への治療が行われている。 ガイドライン改訂は国際蘇生連絡協議会(International Liaison Committee On Resuscitation;ILCOR)が策定した国際コンセンサス(International Consensus on Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care Science with Treatment Recommendations;CoSTR)を元に各地域、各国の医療事情に合わせて作成される。同じ国際コンセンサスを元に作成されるため、各ガイドラインの根幹は基本的に同じである。 JRC蘇生ガイドライン2010から2015への主な変更点は以下である(表1)。JRCガイドラインでは今回から「GRADEシステム」が採用された。これまでのガイドラインでは、エビデンスの質や推奨度が区別されておらず、判断の過程での透明性にも問題があった。GRADEシステムでは、アウトカムを中心に複数の論文を統合して検討されている。また推奨度に関してもエビデンスの質のみならず、利害バランスや価値観、医療資源やコスト面という視点も考慮されている。心肺蘇生新ガイドラインの紹介パワーアップポイントもっとわかるガイドライン2010ガイドライン2015心停止の判断傷病者の反応がなく、呼吸がないか異常な呼吸(死戦期呼吸)が認められる場合傷病者の反応がなく、呼吸がないか異常な呼吸(死戦期呼吸)が認められる場合、あるいはその判断に迷う場合胸骨圧迫の深さ5cm以上5cm以上で6cmを超えない胸骨圧迫の速さ100回/min以上100~120回/min血管収縮薬アドレナリンもしくはバソプレシンアドレナリン(バソプレシンは推奨しない)除細動エネルギー2回目以降、可能な機種であればエネルギー量を増加させることは理にかなっている2回目以降の電気ショックでエネルギー量を上げることは合理的である(弱い推奨)表1 JRC蘇生ガイドライン2010から2015への主な変更点

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