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17Emergency Care 2018 夏季増刊0心肺蘇生時に用いる薬剤Ⅰ章ER・ICUでの典型的なケース症例:70歳男性、朝、家族の前で突然倒れ意識消失。救急隊到着にて心肺停止(PEA:無脈性電気活動)と判断され心肺蘇生が実施されながらERへ搬送。ER搬入後も心肺停止の継続を確認。アルゴリズムに従い心肺蘇生を継続。胸骨圧迫とバッグバルブマスク換気を行いながら、2分ごとの心リズム確認を行い、4分ごとにアドレナリン1mgを投与した。ER搬入16分後に自己心拍再開(return of spontaneous circulation;ROSC)を確認。気管挿管を施行し、ICU入室となった。解説:アドレナリン投与の間隔は3〜5分とあり、施設によって異なる。心リズム確認が2分ごとであるため、アドレナリン投与間隔も4分ごとにすると時間管理は行いやすい。一般名アドレナリン商品名アドレナリン注0.1%シリンジ「テルモ」 1mg/1mL 静注製剤ナースの注意点必須ポイント分でわかる1主としてαアドレナリン受容体刺激による血管収縮作用によって心停止した患者に有意な効果をもたらす。アルゴリズムに従い3〜5分間隔で静脈内、骨髄内に反復投与する。心リズムの確認は2分ごとに行う。投与前投与中投与後アルゴリズムに準じた投与タイミングを確認する。確認後押し用のシリンジも用意しておく(静脈内、骨髄内投与の場合)。準備投与ルートを確認し、投与量を準備する(投与タイミングには準備完了にしておく)。確認・準備静脈内、骨髄内投与の場合は投与した上肢(下肢)を短時間挙上する。対応アルゴリズムに従い、心リズムの確認を行う。対応次に投与する薬剤の準備を速やかに行う。準備抵抗なく注入できるか、穿刺部の腫れや漏れがないか確認する。確認静脈内、骨髄内投与の場合は輸液による後押しをする。対応投与中も胸骨圧迫は中断しない。対応各論

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