130061851
19/20
1解熱性鎮痛薬Ⅰ章21Emergency Care 2018 夏季増刊ER・ICUドクターはこう使い分ける!・ 発熱性疾患▶アセトアミノフェン、NSAIDs・ 筋骨格系疼痛(骨折、腰痛、関節痛など)▶NSAIDs>アセトアミノフェン・ 尿管結石症▶NSAIDs・ 婦人科系疾患による疼痛(月経痛など)▶NSAIDs>アセトアミノフェンERでよくみる疾患ごとの使い分けもしあなたの担当する患者が発熱したら、なぜ発熱しているのかをまず考えるべきである。そして次に対症療法でよいか、それとも早期に検査・治療介入が必要か検討すべきである。つまり、待てそうか待てないかの判断をしなければならない。ポイントとしては、①敗血症を見逃さない、②バイタルサインの異常を見逃さない、③他の強い随伴症状を見逃さないである。発熱精査すべきか対症療法のみとすべきかパワーアップポイントもっとわかる・ 喘息の既往▶アセトアミノフェン ※ただし、高用量だと発作を引き起こすことあり・ 消化性潰瘍の既往▶アセトアミノフェン・ 腎障害▶アセトアミノフェン・ 肝障害▶NSAIDs>アセトアミノフェン ※アセトアミノフェンを投与する場合、肝機能フォローが必要・ 小児▶アセトアミノフェン患者背景による使い分け発熱の原因で早期治療が必要な代表的な病態は細菌感染症による敗血症である。敗血症は、感染に対して宿主生体反応の統制不全により臓器機能不全を呈している状態と定義される。臓器障害の有無をチェックする指標として、ICU以外の場所では、qSOFA(表1)でのスクリーニングが有用である。ICUではSOFA score(Sequential Organ Failure Assessment score)(表2)をチェックする3)。敗血症を疑ったら、血液培養などを含めた発熱ワークアップが必要となり、早期に抗菌薬選択、全身管理が必要となる。①敗血症を見逃さないバイタルサインに異常がある場合、待てない可能性が高い。血圧・脈拍・呼吸数・SpO2・意識・体温・尿量を確認し、異常があれば、対症療法でなく、早めの検査・治療介入が必要である。なお、その時点でバイタルサインに異常がなくても、経時的にチェックを行い、変化に気付けるようにしたい。②バイタルサインの異常を見逃さない
元のページ
../index.html#19