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26Emer-Log 2019 夏季増刊4章 B-2.心不全」を参照ください。Ring-down artifact Ring-down artifactは消化管でよく見かけるアーチファクトです。虫垂や腹部大動脈を同定するためプローブを腹部に当てた時に、垂直方向に延びる線状の高輝度エコーのため観察したい臓器がよく見えないということは誰でも経験があると思います(図4)。図4では腸管ガスによるring-down artifactにより画面中央以遠の描出が不明瞭になっています。先述したcomet-tail artifactに類似していますが、こちらは機序として共鳴(resonance)の関与が考えられています。ただし詳細はわかっておらず、comet-tail artifactと異なり減衰が少ないことがその違いの一つです。臨床での有用な場面として胃管挿入とその確認があります。図5のようにリニアプローブを左頸部に当てて患者さんに唾を飲み込んでもらうと食道のring-down artifactを確認することができます(図5黄矢印)。図6ではNGチューブ挿入前後の食道を示していますが、挿入後には食道内に黒く抜けたチューブを確認することができます。このring-down artifactによる食道の同定は気管挿管確認時の食道挿管の同定にも役立ちます。図3 多重反射②(B-line)ab

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