130061951
15/18

255Emer-Log 2019 夏季増刊腹痛急性虫垂炎C3公立小浜病院 救急総合診療科 医長 和田 亨 わだ・とおる症例別 エコーはどう見る? どう使う?第4章CASE 1 33歳、男性。 主訴●心窩部痛、嘔吐。 既往歴●特記事項なし。 現病歴●前日の夕方から心窩部痛が徐々に出現し、その後嘔吐が2回、続いて軟便もあった。朝になり痛みが下腹部へ移動し、歩行時にも疼痛が増悪するようになったため救急外来を受診した。 身体所見●血圧130/86mmHg、脈拍96回/min・整、体温38.3℃、SpO2 99%(room air)、呼吸数22回/min。腹部診察では平坦で軟らかく、筋性防御はないが、右下腹部に圧痛、反跳痛を認めた。 血液検査●WBC 12,000/μL、CRP 2.0mg/dL。エコーでは右下腹部の圧痛の最強点の圧迫で潰れない、直径が7mm大の盲端な管腔構造を認めた(図1)。 確定診断●急性虫垂炎。図1 右下腹部、蠕動のない管腔構造

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る