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Emer-Log 2020 夏季増刊  13Ⅰ 脳血管疾患など1 くも膜下出血するために頭部CTを施行。くも膜下出血を認めた。3D-CTAでは左内頸動脈分岐部に3  mm大の動脈瘤を認めた。直ちにコイル塞栓術が施行された。その後、神経原性肺水腫は劇的に改善し、第4病日には抜管できた。脳血管攣縮期も無事に乗り切った。高次脳機能障害に対する回復期リハビリテーション目的に第47病日、転院となった。来院時の胸部X線写真とCT像を図2に示します。顕著な肺水腫を認めます。対応としては大きな違いはないかもしれませんが、肺水腫の原因は何なのかを予測しながら診療を進めていきます。来院時の12誘導心電図では、V3〜4でST低下を認めました[図3]。エコーでは、逆たこつぼ型心筋症を疑う所見でした。当初は採血結果も含め、虚血性心疾患による心原性肺水腫を想起するかもしれません。頭部CTではくも膜下出血を認めました[図4]。Fisher Group 3。また、右中大脳動脈分岐部に以前のクリップおよびコイルを認めました。3D-CTAでは左内頸動脈動脈分岐部に3 mm大の動脈瘤を認めました[図5]。 出血量と分布をCTで分類するFisher分類があります。Group 1はCTでは見えないもの、Group 2はびまん性に認めるが凝血塊は認めず、1mm以上の厚さがないくも膜下出血、Group 3は局所的な凝血塊があるか、1mm以上の厚さがあるくも膜下出血、Group 4はほぼ脳内出血または脳室内出血のみのものとされており、本症例はGroup 3にあたります。見るべきポイント図2 Case1の来院時胸部X線写真(左)と胸部CT像(中、右)

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