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疾患の概説 近年の顕微鏡下直達手術と脳血管内治療の進歩により,脳動脈瘤に対する外科治療の成績は向上している.しかしながら,大型・巨大脳動脈瘤,なかでも後方循環に発生したもの,分枝や穿通枝を巻き込んでいるもの,瘤内血栓化や高度石灰化を伴うもの,破裂瘤や脳実質圧迫症状を伴うものなどは依然として外科治療が困難である. 単独の直達手術や血管内治療が困難な脳動脈瘤において,両者を組み合わせることでそれぞれのメリットを生かして治療合併症を回避しつつ,良好な治療成績を得られることがある1).バイパス併用脳血管内治療,動脈瘤内コイリングと動脈瘤ネッククリッピングの併用,バルーンカテーテルを用いた吸引減圧下のネッククリッピング,直達穿刺による脳動脈瘤塞栓術などの方法がこれまで報告されている.本項では,脳底動脈先端部大型動脈瘤の再発例に対するバイパス併用瘤内塞栓術(Fig.)の治療経験を解説する.症例呈示 64歳女性.半年前にくも膜下出血にて発症した大型脳底動脈先端部動脈瘤に対脳動脈瘤2開頭手術と血管内治療の複合治療第2章脳動脈瘤(バイパス併用) 脳神経外科速報2018年増刊2012脳動脈瘤脳動脈瘤(バイパス併用)東北大学脳神経外科 遠藤 英徳Hidenori Endo 広南病院血管内脳神経外科 佐藤 健一Kenichi SatoFig.脳動脈瘤(バイパス併用)の概念図

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