激聴神経腫瘍 聴神経腫瘍は基本的に命を失う病気ではありません.「手術とガンマナイフ,どっちが先か」というディスカッションをするよりも,「患者が生涯,ADLを落とさないで生きていくにはどう組み合わせていくのがベストか」を考えるべきです. 私はガンマナイフの適応は中高年以上と考えています.原則として,Koos Ⅰは経過観察,Koos Ⅱに関しては有効聴力がなくかつ増大している人だけを治療の適応としています.Koos Ⅲの中高齢者が良い適応でガンマナイフ治療を勧めますが,Koos Ⅳは適応外としています. ガンマナイフの長所としては,低侵襲であることが挙げられると思います.私は10,000人以上の経験がありますが,周術期に亡くなった症例はありません.また,入院期間が短く,日帰りでもできますし,医療廃棄物も発生せず,電気代も数十円で済みますので,医療経済的にも優れた治療法だと考えています.芹澤 徹築地神経科クリニック東京ガンマユニットセンター院長Toru SERIZAWA放射線治療代表外科手術 放射線治療580 脳神経外科速報 vol.29 no.6 2019.6.
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