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のみを切開してinterfascial dissection1,2)を行い,顔面神経を深側頭筋膜浅層で覆うように皮弁を翻転させる(図2).Interfascial dissectionで筋膜を正確に剥離していけば,筋膜間にある頬骨弓を露出できる. その他のsurgical routeとして,深側頭筋膜深層と側頭筋の間を剥離し(顔面神経を保護する層がより厚くなる),頬骨弓内側部から再度浅い層に戻るsubfascial dissectionも用いられる. (小林 広昌/安部 洋/井上 亨 福岡大学医学部脳神経外科)引用・参考文献1)YasargilMG,etal:Preservationofthefrontotemporalbranchofthefacialnerveusingtheinterfascialtempo-ralisflapforpterionalcraniotomy.JNeurosurg67:463—6,19872)栗田 浩樹ほか:Orbitozygomaticapproachの基本と脳血管外科領域における臨床応用.脳外誌21:842—7,2012 脳神経外科速報2019年増刊 21手術一般で知っておきたい合併症と対処法章1図2左側pterional approachにおけるinterfascial dissectiona:Cadaverにて浅側頭筋膜の層を走行している顔面神経が確認され(実際の手術ではこの層は剥離しない),深側頭筋膜を切開して脂肪層が確認される.b:術中写真にて深側頭筋膜浅層の切開線(点線)を示す.脂肪層深側頭筋膜浅層顔面神経ab中側頭静脈の温存 頬骨弓上の無理な伸展,筋鉤などの圧迫で顔面神経損傷の可能性があるので,注意が必要である.深側頭筋膜間の脂肪層が発達していない症例では,この層を走行する中側頭静脈が指標になる.この静脈は術後の側頭筋・眼窩周囲の腫脹を予防するために可及的に温存している. OINTP

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