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基礎知識 術中破裂は手術成績を悪化させる主要因の一つであり,極力回避しなければならない.通常,術中破裂は,破裂部近傍での不用意な操作やdomeが血管や硬膜と癒着している部分の剥離で生じる.動脈瘤を全周性に剥離してからクリッピングを行うのが原則で,術中破裂は100%避けられるものではないが,破裂部位周囲の剥離は最終段階で行う.そのためには,破裂部位の剥離操作を行う前に,母血管および動脈瘤ネックを確保する必要がある. 脳神経外科速報2019年増刊 107Q048A脳血管障害 ①脳動脈瘤クリッピング術章6Premature ruptureを予防する心がけは?早期に母血管を確保し,次いでネックを確保できるような手術計画を立てる破裂部位を予測し,その部分の剥離は最後に行う破裂部位は血腫や周囲の脳をつけて剥離する123図1術中破裂させない剥離の手順a,b:M1が長く動脈瘤が側頭葉に埋没している場合は(a),superiortrunk(①)→M1(②)→inferiortrunk(③)→ネックの順に剥離する(前方からM1を確保).c,d:動脈瘤が前向きで前頭葉に埋没している場合は(c),M2の末梢(①②)をinsularcortexの上で確認して,2本のM2の間で後方からM1を確保する.a①①②②③③bc①①②②③③d

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