130082005
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私の治療論【橋本】本日は,広島大学病院がん化学療法科の杉山一彦先生をゲストとしてお迎えしました.大学病院ではがん治療センターのセンター長も務めておられて,悪性腫瘍全般にわたって広範な知識をお持ちでいらっしゃいます.長年,本誌の編集委員としてもご活躍されていますが,「おすすめの一冊」でも,時代小説などの歴史ものを中心に長く書評を執筆されていますので,そのあたりの趣味のお話も含めて伺えればと思います. さっそくですが,先生の歴史ということで,お生まれはどちらですか?【杉山】私は,岡山県の福ふく渡わたり(現在の岡山市北区)の出身です.岡山市の北,中心部から車で30分くらいののどかな所にあります.父方は浜田藩(現在の島根県西部)の下級武士だったそうです.幕末,長州征伐のときに幕府側として戦ったんですけれども,大村益次郎率いる奇兵隊に瞬殺されて浜田城に籠城,夜陰に紛れて逃げた先が浜田藩の飛び地である鶴たづ田た(同じく現在の岡山市北区)でした.福病理学への興味1渡の北側に位置する町です.そこから数えて私が5代目になるのですが,父は地元の病院の事務方で,小さいときから病院は身近にありました. 高校は岡山市内にある岡山操山高校に入学しました.同級生には宇野昌明先生(現・川崎医科大学脳神経外科教授)がいます.岡山大学脳神経外科教授の伊達勲先生も同学年で,彼は同じ岡山市内にある岡山大安寺高校の出身です.2人は優秀だったので先に医学部に入学しましたけれども,私はちょっと遊び過ぎたので(笑),遅れて広島大学に入りました.【橋本】医学部を目指されたのは,やはり病院が身近にあったという環境の影響ですか?【杉山】いえ,高校に入学した頃は農業経済や歴史に興味があって,文系に行こうと思っていました.ただ,私が高校1年生ときに祖母が胃の噴門部がんになり,短期間で亡くなってしまいました.げっそりやせた姿を見て,医者になろうかなと思いました.田宮二郎主演のTBSドラマ『白い影』(※原作は渡辺淳一の『無影燈』,本誌2014年5号の書評で紹介)にも影響を受けました.単純ですね.広島大学医学部医学科卒業広島大学医学部附属病院医員松山赤十字病院脳神経外科医師県立広島病院脳神経外科医師広島大学医学部附属病院脳神経外科医員国立療養所広島病院脳神経外科医師広島大学医学部脳神経外科助手NewYorkMonteore医療センター神経病理部門客員研究員併任広島大学医学部附属病院脳神経外科講師NewYorkSloanKetteringがんセンター神経腫瘍部門visitingobserver併任広島大学医学部・歯学部附属病院脳神経外科講師広島大学大学院医歯薬学総合研究科創生医科学専攻先進医療開発講座脳神経外科学助教授広島大学病院化学療法室室長広島大学病院がん化学療法科教授広島大学病院がん治療センターセンター長(兼任)1984年1984年1986年1987年1989年1991年1992年1994年1995年2002年2003年2005年2011年2012年2012年杉山一彦先生プロフィール462 脳神経外科速報 vol.30 no.5 2020.5.

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