130082006
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飛沫を介した,また,気管挿管などのaerozolising procedureで飛散したウイルスを吸引することによって,人から人へと感染が広がるようである.医療機関では手袋やガウン,N95マスクなどのPPEの確保と使用方法の徹底,感染拡大の防止策が重要となっている.我々の施設ではN95マスクや手袋ガウンに関しては獲得努力の甲斐があり今のところ不足を感じないが,帽子,シューズカバー,フェイスシールドを院内で探すのに苦労する.予定・準緊急・緊急手術と 手術室・アンギオ室 3月16日以降,当院ではすべての予定手術・アンギオ・血管内治療は中止された.緊急手術には対応可能となっており,ELVO(emergent large vessel occlusion)に対して血栓回収の際には麻酔科を含めたスタッフと器材が確保できている状態にしている.また,症候性頚動脈狭窄症に対するステント留置術などの準緊急治療・手術には対応可能となっている.我々の施設には陰圧換気に対応している血管撮影室はないが,5部屋のうち1部屋のみ廊下一つ離れた区画にあり,シングルプレーンの装置ではあるが,そこを放射線科とともにCOVID患者用の部屋として使用している.COVID陰性の患者はバイプレーン装置の部屋が使用可能であり,また,必要であれば,COVID陽性であっても事前にICUやEmergency department(ED)で挿管したり,使用後にterminal cleaningを行うなどの対策で使用している.手術室に関しては,特定の陰圧換気の可能な手術室をCOVID患者用と決めて使用している.半数以上の手術室はCOVID治療用の病棟として使用され,麻酔器を呼吸器の代わりに使用するなどといった対応もとられている.Fig. 1Mount Sinai West病院ED前に設営されたCOVID診療用テント脳神経外科速報 vol.30 no.6 2020.6. 575

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