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INFECTION CONTROL 2017年 春季増刊59年間を通じて行おう! いつでも大切! To Doリスト第章2の問題を院内全体の問題と捉え、手荒れ防止のローションや手荒れしにくい手洗い用石けんの導入を行った。このように現場の意見を吸い上げることで院内全体の改善が繰り返されることにより、「ICTがラウンドに来たら、気付いたことを伝えてみよう」「ICTに相談してみよう」という認識となり、よい関係が形成される。 ICTがケアや処置場面を直接観察しプロセスを評価する場合、現場スタッフはとても緊張し、ケアや処置に集中できなくなったりするかもしれない。また、患者は普段見ないスタッフの存在を不審に思う可能性もある。実際に当院でもICNが手指衛生や輸液管理に関するプロセスチェックを行ったが、現場スタッフの緊張感がひしひしと感じられた。そのためICTのラウンドが処置やケアの邪魔にならないように配慮する必要がある。気付いたことを直に伝えるのは重要であるが、患者の前では行わず、病室を出てからするのが望ましい。逆に適切に実施していた際には、患者の前で「さすが!」とほめてもよいと思う。 ラウンド結果についてはラウンド時に口頭で伝えるだけでなく、書面にまとめフィードバックしたほうがよい。チェックリストへの○×や点数などに加え、写真を添えると部署内で共有しやすい(図3)。また、「なぜ、それが感染対策上問題なのか」とプロセス確認は処置やケアに支障がないよう配慮する。フィードバックは分かりやすく根拠を添える。部署名○○病棟ラウンド日時平成××年×月×日 ラウンド実施者○○ ○○ ○○ ○○ ○○部署対応者○○医師、○○看護師 当院におけるICTラウンド報告書(例)図3ペーパータオルホルダー近くにハンドソープがありましたが、タオルを取り出す際に手が触れ、洗浄後の手を汚染する可能性があります。手や物品が汚染されないような配置をお願いします。2週間後に、改善状況を確認いたします。感染対策チェックリストで×の項目は以下のとおりです。
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