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INFECTION CONTROL 2017年 春季増刊60とっておき!お土産ポイント:ICTは現場のサポーター 筆者はラウンドで理想やあるべき姿を現場に要求するのではなく、現状について「なぜそうなっているのか」という理由や現場の事情を丁寧に聴き、理想を念頭に置きつつ、お互いに納得できる「落としどころ」を一緒に考える過程を大切にしている。 感染対策は現場における実践が伴わなければ向上しない。ルールひとつを変更するにも、それをスタッフ全員に周知するのは大変労力を要する。ICTはつねに現場の苦労を察し、どうやったら改善できるかを一緒に考え、提案し、サポートする姿勢が重要であると思う。チェックリストに沿ってチェックし、できていないところを指摘するだけのラウンドには反感を覚える。行政の立ち入り検査ではないのだから、ともに病院をよりよくするためにパートナーとして関わってほしいし、つねに現場のサポーターという姿勢を持ち続けてもらいたい。いう理由も添えると理解が深まる。ラウンド時に一緒に考えた改善策や提案についても書面で再度提案する。病棟の感染対策担当者がICTの指摘事項について改善活動をする際に、「なぜ改善が必要か」を説明するのにも役立ち、改善策の提案は「ICTからのお墨付き」として実施しやすくなる。引用・参考文献1)藤極友昭.ラウンドって何するの?ラウンド前の準備は何をすればよい?.INFECTION CONTROL.25(1),2016,20-3.2)室井洋子.“第1章「ラウンド」って何するの?”.感染対策のための院内ラウンド強力サポートブック.小野和代編.インフェクションコントロール春季増刊.大阪,メディカ出版,2014,8-17.3)黒須一見ほか.“第2章「まずはココから」すべてのラウンドに共通する重要な項目”.感染対策のための院内ラウンド強力サポートブック.小野和代編.インフェクションコントロール春季増刊.大阪,メディカ出版,2014,20-50.4)内山正子.“現場vs ICT”にならない院内ラウンドの構築の工夫.感染対策ICTジャーナル.6(3),2011,304-7.

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